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 ――なんだ、いんじゃねえか。あほくさ莫迦らし。
 俺じゃねぇことは確か、っつーことは。
「ああ、なるほど」
 思わず心中が口を突いて出た。
 つまり恋愛相談なのだこれは。
 ようやく合点がいった。砕蜂がいつもと違ってもじもじとしているのも、普段足蹴にしてはばからない大前田に相談事を持ちかけること、しかもそれが色恋話であること、の二点の相乗効果で様子がおかしかっただけだ。



なんだ。気が抜けた。
 くつくつと笑いながら……あれ、俺今ちょっと残念とか思ったか? いやいやいやんなわけねえだろ、ありません。思ってねえしこの人は単なる上司だろ。……そうだ。ただの上司と部下。わかっているし、わかっていた。だから。別に。なんとも。