たまには別ジャンルなど第何弾か忘れちゃった。


◆めだか箱・高貴ちゃん×くまー
ぶっ壊れて本当に頭が終わっている禊ちゃんも好きだけど、いまの裸エプロン先輩も、括弧つけずに啖呵切ったときも大好きで、ともかく彼と彼の周囲の人間関係(人外含む)が好きです。高貴ちゃんは挑発受なくまーにぎりぎり苦悩すればいいと思うの。



元・破壊臣が聞いて呆れる話をしよう。


『──だって』
 その声がいつまでも耳の奥で消えてくれない。
 残響。反響。響く。
 ──嫌だ。とても嫌だ。
 なのに耳をふさげない。
『──だって、高貴ちゃんは』
 そんなふうに俺のことを呼ぶのはこの人だけで。
『こわしてくれなかったじゃない』
 泣き笑いのような。
 嗤い啼きのような。
 苦しそうで。
 愉しそうで。
 悔しそうで。
 嬉しそうで。
 ──狂いそうな。
 ──終わり、そうな。
 とっくに終わっていると、とっくに狂っていると、とうに踊っていて、すでに繰るっていて、どうしようもなく奮っていて。
 そんな。
 そんなこの人のことが。
 俺は、ずっと。
 あのころから──ずっと。


ふざけないでよ、と括弧つけたままの球磨川さんは俺の下で息を吐く。
 ふざけるなよ、わかってるんだろう? と押し倒されて抱き込まれて、まだ、それでもまだ格好をつけていう。


『……だって高貴ちゃんは僕のことを壊してくれなかったじゃないか』


 違う。
 違う違うちがう。
 伝えたかった。叫びたかった。
 請われた。
 うれしかったから。 
 乞われた。
 俺には何もなかったから。
 憧れた。
 俺はあそこまで壊れることができなかったから。
 恋われた。
 どうしようもなく。
 焦がれた。
 どうしようもなく。
 囚われた。
 どうしようもなく。
 この人が、この人である限り。


『……いいよ、もう』


 ふっ、と笑みを浮かべて。
 なんて綺麗な。
 なんて透明で。
 なんて──空っぽな。
 どっか、行っちゃえよ。
 なんて。
 本当は心にもないことをつぶやく。


『もう、いらない』