剣やちの冒頭。実は書いたことないです>剣やち 三席と五席はコンビでもカプでも好き。なかよしなのがいい。


 くらくらしたの。きらきらと。まぶしい。逆光のなかで。まるでそれは見たこともない、すてきな、夢のような。かすかな希望とわずかな奇跡をつなぎあわせて。血の色しかない世界で。それ以外の色を知らない世界で。生きていたの。自分が生きているということさえ、わからずに。
 あなたに出会うまで。


『あなたはあたしの世界のすべて』


 そういい切れるのは彼女の強さだ。
 他の誰が、あんなにも自然に、当然のごとくに、何も疑うことなくまったく迷うことなく一片のためらいもなく、満面の笑顔を浮かべて、自分以外の人間のことを「あたしの世界のすべて」だと――いえるだろう。


 過去はあなたといっしょにいた。今もあなたといっしょにいる。これからも絶対、いっしょにいようね。


 あなたはあたしの世界そのもの。