めも。猫のはなしパロ18禁。
※設定にあやまれ。盛大に謝れ。全年齢の原作に平伏して謝罪しろ。ぽたさんごめんなさい。
「やめ、て……ミト! No! stop!」
彼女はときおりぼくが理解できる言葉を口にする。でも、ぼくはわからないふりをする。猫なんだから、人間の言葉はわからない。そう思っていれば知っているはずの言語さえ意味をなさないただの音のつらなりに変化していく。
だけどその音は心地いい。彼女の声だから、見えないだけで頭のうえにある猫の形をした耳がぴくぴくと動いてしまうくらい、とても好き。大好き。しっぽがはえてくる予定のお尻のあたりがうずうずする。しっぽを振りたい。ぼくがうれしいんだってことをわかってほしい。
もっと聞いていたい。ちゃんと聴いていたい。いっぱい。だからぼくは彼女が声をあげることをする。こうすれば声を出すんだってもうわかったから、それをする。
猫は舌で世界を識る。
ぼくにとっての世界は彼女だ。だからぼくは彼女のことを知りたい。
ぼくは彼女を守る唯一のものになりたい。
彼女にも、ぼくに守られる唯一のものになってほしい。
でもぼくはまだ彼女をちゃんと守る方法を知らない。早く立派な猫にならなくちゃ。
「や、だ……っ、ざらざら、してっ……」
これはだめかな? 気持ちよくないかな? でも彼女は嫌がってない。動物の直感。身体がびくんびくんってしてる。ぼくが舐めているところからとろりとあたたかいものがたれた。
ぞくぞくして、がまんができなくなる。丸まった背中の中心を何かが這い上がってくる感じ。
獲物をしとめるときってこんな気持ちなのかもしれない。猫になって日にちが浅いぼくは、まだネズミも鳥もトカゲも獲ったことがない。狩りができるようになって、獲物を見事にしとめたら、いちばん最初に彼女に見せるんだ。プレゼントするんだ。何がいいかな? ヘビはちょっと怖い。カラスにはまだ勝てない。やっぱりトカゲとか、ヤモリかな。
それで彼女のまえに「はい」って置いて、別にこんなのたいしたことじゃないんだぜっ!って顔でさりげない態度をとって、彼女を感動させちゃうんだ。きっと、ほめてくれて、頭をなでなでしてくれて、ミルクをくれるはず。