きのうなに食べた?
◆私的・二番隊の台所事情。
【砕蜂】
★設定そのいち。
料理の腕は壊滅的。
うまいまずいの問題ではなくもはやなんだかわからないがいっそすごい気さえする前衛芸術的なしろものを作ってしまうという、ある種の才能を有す。
夜一に、
「同じ材料、同じ調味料を使用しておるというのに、なぜああなってしまうのか儂にもわからぬ。よいか、あやつの料理は料理であって料理でない。あえていうならば、超・料理……いや脱・料理とでも名付けるか」
といわしめる。
★そのに。
刑軍出身で家が男所帯だったため(炊事を含む家事はどちらも持ち回りの当番制)簡単なものだがそこそこに料理ができる。
ただし、どちらも大人数だったせいで今でもつい多めに作ってしまう傾向あり。
好物の魚をさばくのが天才的にうまい。
(その間、副隊長はぶるぶるとふるえながら恐ろしげにのぞき見ている)
味付けや包丁等道具の扱いなど、基本的なことは次兄に教わった。
味噌汁は削り鰹節で出汁をとる。
最近、副官に粉末状のものがあると教わって使ってみようかどうか迷っている。
【大前田の場合】
設定そのいち。
★実家では蝶よ花よと育てられた成金息子ゆえに料理の経験はなし。
(生家には料理人がいて、現在は外食中心)
しかし砕蜂のせいで、いやために調理する術を覚えなくては命にかかわる、もしくは単純に愛情表現。
もともと意外と手先が器用で要領がよいためにコツを覚えれば応用が利く。
何時間も煮込んだシチューなど凝ったメニューもたまには作るが、大抵は家庭料理風な献立を砕蜂のために用意する。
嫌いな肉は細かく切って煮物にすると食べてもらえることを最近発見。
★そのに。
包丁を持った経験すらなく、砕蜂がてのひらで豆腐を切っているのを見て
血相を変えた。
しかし育ちのせいで舌は肥えており、うまいまずいがかなりはっきりとわかるため、たとえ砕蜂の作ったものでも「うまいんスけどもうちっと塩気があるといいんじゃねェスか?」などというために(悪気はない)、もともと負けず嫌いな砕蜂が
「あやつがひとつの文句もつけぬようなものを作ってやる!」
と暇があれば台所に立つようになった。
男前に料理ができる蜂と鮮血流血・見事な魚さばきにガクブル、でも食べたら
すげー! うまいッス!! 隊長すげえッスね!
って単純に喜ぶ希もかわいい……!
「……こんなものでよいならばいつでも作ってやる」
「ほんとッスか!?」
「…………(いってしまったあとにものすごく恥ずかしいことを告げた気がして言葉が出ない)」
逆に壊滅的に料理が苦手で、でも副官のためにがんばる砕蜂も捨てがたいな……!
希は覚悟の上で毎回食べててもいいし、
「一緒に料理しませんか隊長。なんでもふたりでやった方が楽しいっしょ?」
って、イチから教えてあげてもいいと思うんだ。
ふたりで夕ご飯の買い物にいって、
ふたりで食材選んで、
ふたりで台所に立って、
ふたりでちゃぶ台用意して拭いて食器並べて、お箸はおそろいで買ったもの(色違い)
いただきますって一緒に手を合わせて、
同じものを食べて。
別に特別豪華なわけじゃないし、
本当に普通に普通だけど、
でも、
普通なしあわせ。
ずっと。
手に入らないと思っていたもの。
すみません、どれも……どれもおいしくいただけます……っ!
あと、夜中、を通り越してもはや朝方にこんなん書いてたらおなかすいてきましたぐう。きのうの晩ご飯はチゲ鍋でした。見切り野菜をなんでもいれて、豚肉と安売りしていた鱈をいれて。
いま、純・和風な鍋が欲しいです。一人用の、ちっちゃいの。紗々は基本ひとりぐらしだからね。居候の友人がいるだけなんだよ。やっぱりひとりだとなかなか億劫になってしまって自炊しなくなるのでありがたい。