『電車男』

電車男 スタンダード・エディション [DVD]

『電車男』は作品の名前ではなく後日譚まで含むあの一連の騒動やメディアミックス化などをひっくるめた現象のことだったと思う。だからこの映画もその片鱗として観るのが正しいように思う。

２ちゃん色はさほど強くない。やりとりはもうちょっと殺伐と、そして混沌としていてもよかった。

個人的にはスレに書きこんだ大勢の名無しは『顔の見えない』相手だった。顔も知らないどこかの誰かが親身になったり罵倒したり考察したりする。だからこそ特別な、そういうものだった。
だからラスト近く、電車男を応援するスレ住人数人がホームのこちら側に立ってみんなでがんばれと励ますシーンの演出はなんだか違う気がした。あくまでやりとりはＰＣ越し、あの灰色の背景に並ぶ文字とAAで行われるべきだった。などとぐるぐる考えていたけれど中谷美紀がうつくしいのでだいぶ癒された。