平子さんの決意
ぼくらは見えない糸でつながっている。
たぶん赤いやつじゃなくて、そいつは透明でひかりがあたると見えるんだ、きっときらきらしてきれいなんだろう。ワイヤーみたいにほそくても丈夫で下手に触るとゆびさきが切れてしまうほどにするどいんだ。
だからきみとぼくはだいじょうぶ、なにがあってもしばらく、そうだよ、もうしばらくはつながっていられる。
ぼくがまたどこかに堕ちてしまって、もう還れないとわかったそのときには、ぼくはじぶんできみにつながる、きみをぼくに拘束する透明な糸を切ろう。
ぼくはその瞬間、きっと笑っているよ。
とべないとりはうそをつく。平子さんがひよ里を一緒に最後を迎えることはしないと思っていたら、その想いは強くてやさしくてせつない。一緒に最後を、なんてきっとできない。だから最後はあの子の手を放して血の海に沈んでいくんや。
しゃーって、しゃーないやん、俺には羽根がないんやもの。
平子さんはどうしても一歩引いた見方をしてますね。ひよ里ちゃんはそのへんが許せなくてアッパーカットすればいい、ビーサンで…!