友人に牛の肉をおごってもらった。肉汁がしたたった。次の日は鮨を食べさせてもらった。サーモンばかり四皿食べた。ひらめも食べた。


友人はたまたま上京なさっていたご両親に、顔色が悪いとさんざんいわれていた。おごっているひまがあったらもっとよいものを食べたらいいと思った。(※後日、職場のおばさまにタクシーで焼鳥屋に連行されておごってもらったというvipな待遇のメールがあった。ほっと胸をなでおろした。今度は焼き鳥を食べさせてもらおうと思った。因果応報だった)



上野動物園に行った。モノレールに乗った。閉園ぎりぎりに飛びこんだ動物園は、親子連れやカップルが思ったよりたくさんいたにもかかわらず、どこかさみしい気持ちになった。それが心地よかった。両生類を流し、は虫類にうっとりし、ペンギンやフラミンゴを見て、夜行性の動物をながめて、象や猿も見た。しかし今回のハイライトはかばだった。


かばはすてきだった。なんといっても丸かった。そして動いていた。特に感動したのはコビトカバだった。ものすごく動いていた。彼はせまいプールのなかをぐるぐると回遊していた。見ている間、ずっと休みなく泳ぎつづけていた。泳ぎながら、さらに横にも回転していた。身体をよじりながら、飽きもせず同じ動きをくりかえしていた。ぱんぱんに張った腹が見えた、と思ったらなめしたような質感の背中になり、ぴくぴく動く耳がのぞいたと思ったら、すぐに愛らしい蹄が浮かぶ。あの感動をなんと伝えよう。ずっとそこにいたかったが、蛍の光が流れはじめたので無理だった。動物園にて帰れといわれるのは切ないものがあった。


ちなみにパンダは拝見できなかったです。